2025/06/09
【妊婦さん必見】妊娠初期と中期以降の「安静」は意味がまったく違います
妊娠中、「安静にしてください」と医師に言われたことがある方も多いと思います。
ですが、妊娠初期と中期以降では、この“安静”の意味がまったく違うことをご存じでしょうか?
妊娠初期の「安静に」は、流産のリスクに備える意味
妊娠初期に「安静」を指示されるケースの多くは、切迫流産、つまり流産になりかかっている状態のときです。
流産とは、妊娠21週(約6か月)までに赤ちゃんが亡くなってしまうことを指します。中でも、特に多いのが妊娠12週ごろまでの流産です。
この時期の流産は、多くの場合染色体異常や赤ちゃん側の原因で起こることが多く、医学的にも「防ぐ手段はない」とされています。
つまり、この時期に言われる「安静にしてください」というのは、
「今の状態で無理をしないで、体を労わりましょう」
という予防的な意味合いが強く、遠出や激しい運動を避けるようにというアドバイスになります。
妊娠中期以降の「安静に」は、治療の一つ
一方、妊娠中期以降で言われる「安静に」は、切迫早産のリスクがあるときが多く、ここでは安静が積極的な治療手段となります。
切迫早産とは、早産になりかけている状態のこと。つまり、赤ちゃんが予定よりもかなり早く生まれてしまいそうなときに使われる言葉です。
日本では、切迫早産に対しては子宮収縮を抑える薬(内服薬や点滴)が処方されることもありますが、何よりも効果的とされるのが**「安静にすること」**です。
安静=横になることで子宮への負担を軽減
人間は四足歩行の動物とは違い、二足歩行で生活しているため、普段から膣には大きな荷重がかかっています。
さらに妊娠中は、
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赤ちゃんの体重
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羊水
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子宮そのものの重さ
などが加わり、**そのすべてをたった4cmの「子宮頸管」**という部分で支えることになります。
ですので、横になって体を休めること=子宮頸管にかかる負荷を減らすことが、立派な治療になるわけです。
重症の場合は入院が必要になることもありますが、健診で軽度の異常を指摘された程度であれば、
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重いものを持たない
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激しい運動を控える
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お腹が張ったときはすぐに横になる
といった工夫で、無理のない日常生活を送りながら安静を保つことが可能な場合も多いです。
「安静に」の意味を正しく理解して、今の自分を大切に
妊娠初期と中期以降では、「安静に」の目的が大きく異なります。
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妊娠初期 → 流産のリスクに備えるための注意
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妊娠中期以降 → 切迫早産を防ぐための治療
今のご自身がどの状態にあるのかをしっかり理解し、正しく体を労わることが大切です。
当院ではマタニティ期の施術も行っています
妊娠中は心も体も大きく変化し、「痛い」「つらい」と感じることも増えてきます。
当院では、マタニティ期の体調管理や骨盤ケアのための施術もおこなっています。
また、**トコちゃんベルト着用指導士(骨盤ベルト指導資格)**の資格を持ったスタッフも在籍していますので、
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骨盤のゆるみが気になる
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トコちゃんベルトの正しいつけ方がわからない
という方も、お気軽にご相談ください。
出産後の育児に備えて、今のうちに体のコンディションを整えておきましょう。
安心して妊娠期を過ごすためのサポートを、心を込めてさせていただきます。